建設業許可を取ろうと決めたら、次に気になるのは「何をどの順番でやればいいのか」「どれくらいで取れるのか」です。

この記事では、新規で知事許可を取得する場合の流れを5つのステップに分けて解説します。全体像がわかれば、逆算してスケジュールを立てられます。

全体の流れと期間の目安

ステップ 内容 期間の目安
1 要件の確認 数日〜
2 必要書類の収集 2週間〜1ヶ月
3 申請書類の作成 1〜2週間
4 申請・審査 1〜2ヶ月(都道府県による)
5 許可通知の受領 —

トータルでは、準備開始から許可取得までおおむね3ヶ月前後が目安です(福岡県の新規は審査だけで標準処理期間2ヶ月)。経験証明に時間がかかるケースでは、さらに長くなることもあります。

ステップ1:要件を満たしているか確認する

最初にやるべきことは、申請書を書くことではなく要件の確認です。次の6つを満たせるかチェックします。

  1. 経営業務の管理責任者(建設業の経営業務を総合的に管理した経験が原則5年以上ある常勤役員等)
  2. 営業所技術者(専任技術者。資格者、または実務経験10年以上の技術者など)
  3. 財産的基礎(自己資本500万円以上、または500万円以上の資金調達能力)
  4. 誠実性
  5. 欠格要件に該当しないこと
  6. 社会保険への加入(健康保険・厚生年金・雇用保険の適用事業所としての届出)

要件の詳細は建設業許可の6つの要件で解説しています。ここで満たせない要件があると、その後の作業がすべて無駄になるため、最初の診断がいちばん重要です。

ステップ2:必要書類を収集する

要件を証明するための書類を集めます。主なものは次のとおりです。

経営経験・実務経験の証明書類

  • 法人役員としての経験:登記事項証明書(役員期間の確認)
  • 個人事業主としての経験:確定申告書の控え
  • 経験期間中の工事実績:工事請負契約書・注文書・請書・請求書など

期間分の書類を年単位で揃える必要があるため、ここがいちばんの山場です(福岡県では契約書等を年1件以上と定められています)。書類が一部足りない場合の代替手段は都道府県によって扱いが異なるので、手引きの確認が欠かせません。

財産的基礎の証明書類

  • 直前期の決算書(自己資本500万円以上の場合)
  • 金融機関の預金残高証明書(残高で証明する場合。福岡県は申請日前30日以内、鹿児島県は申請日の1ヶ月以内など有効期間が短いため、取得タイミングに注意)

そのほかの主な書類

  • 役員等の身分証明書(本籍地の市区町村で取得)・登記されていないことの証明書
  • 健康保険・厚生年金・雇用保険の加入を確認できる書類(社会保険の加入は許可の要件です)
  • 営業所の写真・使用権原を確認できる書類

ステップ3:申請書類を作成する

収集した書類をもとに、申請書一式を作成します。知事許可の場合、様式は各都道府県の手引きに沿って作成します。

書きぶりに迷いやすいのは、専任技術者の実務経験の内容や、工事経歴の書き方です。手引きのルールと異なる書き方をすると補正(書き直し)になり、その分審査が遅れます。

ステップ4:申請して審査を受ける

申請先は、主たる営業所の所在地を管轄する都道府県です(福岡県は県土整備事務所、鹿児島県は県庁の建設業担当課が窓口)。申請時に申請手数料90,000円(知事許可・新規)を納付します。この手数料は不許可の場合も返還されません。納付方法は県・申請方法によって異なります(福岡県の書面申請は県領収証紙、鹿児島県は証紙制度の廃止にともないキャッシュレス納付へ移行中)。

なお、窓口への書面申請のほか、建設業許可電子申請システム(JCIP)でのオンライン申請も利用できます(GビズIDが必要。福岡県・鹿児島県とも対応済みで、電子申請の場合は手数料もオンライン決済です)。

審査期間は都道府県によって異なり、おおむね1〜2ヶ月が目安です(福岡県の新規は標準処理期間2ヶ月。書類に補正があるとその分延びます)。審査中に確認の連絡が入ることがあるため、対応できるようにしておきましょう。

ステップ5:許可通知を受け取る

審査を通過すると、許可通知書が届きます。これで500万円以上の工事を請け負えるようになります。

許可取得後は、毎事業年度終了後4ヶ月以内の決算変更届と、5年ごとの更新(有効期間満了の30日前までに申請)を忘れずに。ここを落とすと許可を維持できなくなります。

法人化を予定している場合は順序に注意

個人事業で許可を取ったあとに法人化すると、法人であらためて許可を取り直すことになります。これから法人化する予定があるなら、先に法人を設立してから許可を取るほうが手続きは一度で済みます。詳しくは法人成りと建設業許可の記事をご覧ください。

自分で申請するか、行政書士に依頼するか

自分で申請すれば費用は申請手数料のみで済みます。一方で、経験証明の書類集めと手引きの読み込みには相応の時間がかかり、本業と並行して進めるのはかなりの負担です。

行政書士法人アクティスにご依頼いただく場合、一般建設業・知事許可の新規申請は報酬165,000円(税込)+証紙代90,000円=総額255,000円です(別途、事務手数料3,300円)。要件の診断から書類収集・申請書の作成・提出まで、まるごと代行します。「まず自分のケースで取れるのか知りたい」という段階から、無料相談をご利用ください。